1年10組の教室。



見渡すと知っている顔はなかった。





小学校が5つも集まったマンモス中学校で
1年生は24組まであった。






少し恥かしかったけど勇気を出して、
後ろの席の女の子に声をかけた。


「お弁当、一緒に食べない?」



三つ編み姿の彼女はにっこりとうなづいてくれた。








彼女は中学校で初めて仲良くなった友だち。

まさかそのときはその後の私たちが
高校、大学まで同じ道へ進むとは想像していなかった。


おまけに高校、大学のクラブまで同じ。




だから私の学生時代の写真には
彼女がいっぱい写っている。



彼女の歴代彼氏も知っている。
彼女の制服のスカートがどれだけ短かったかも覚えている。
大学のコンパで彼女が大好きなお酒をぐいぐい飲んでいたこともバッチリ記憶している。


どんなTシャツを着ていたとか、
どんなキュロットをはいていたとか、
どんなカバンを持っていたとか、
そんな些細なことまで思い出した。



彼女の長い髪、彼女の指、
Tシャツの袖をめくり上げたときに見えた彼女の腕の付け根。

次から次へと記憶が蘇ってくる。



定期券を買うのに一緒に並んだこと。
バスに乗らずに同級生を集めて乗り合いタクシーで学校に行ったこと。
学校の帰り道、梅田で遊んだこと。


木曜日はレディースディで食べ放題だったディスコへよく行ったこと。


私が重い荷物を抱えていたら彼女が自分の彼氏に
「これ、持ったってよ!」と言ってくれたこと。




彼女はいつどんなときでも笑顔だった。
機嫌の悪い彼女を一度も見たことがなかった。

ひかえめだけど自分の考えをちゃんと持った人。
誰にでも優しくて、
そして誰からも慕われていた。



結婚式はとっても豪華だった。
豪華なドレスが本当によく似合っていた。

ハネムーンのお土産は今でもウチにちゃんとある。



彼女は私より1年先に赤ちゃんを出産した。
そのときは彼女のご実家へ遊びに行った。

彼女似の可愛い男の子だった。



それぞれ子供たちを連れ添って、
同窓会も開いた。

彼女の息子さんたち、私の娘たちは
初めて会ったにも関わらずすぐに仲良くなっていた。






「子供たちから手が離れたらダンナなんかほっといて、
みんなでゆっくり温泉にでも行きたいよねぇ」


そんな日がいつか来ることを想像して、
ランチしたこともあった。




今年のGWには高校のクラブの同窓会を予定している。

私は去年、参加できなかったので、
今年はみんなとマシンガントークするぞぉ〜〜〜!
と気合が入っていた。


もちろん、彼女にも会えるはず。
だって彼女は、同窓会参加率がとっても高い人だもん。


1年半前の大学の同窓会のときも、
不参加だった私に集まったメンバーの写メを送ってくれた彼女。
今回、直接会ってそのお礼も言うつもりだった。













本当に全く予期しない電話だった。


彼女の訃報を聞いたとたん、
頭が真っ白になった。






私には同時に二つの同窓会(高校、大学)となった彼女のお通夜。
そして、告別式。






こんな形で友だちや先輩と再会するなんて、
悲しすぎる。


久しぶりに会った友だちに笑顔で挨拶するけれど、
気持ちはとっても寒かった。






彼女の病気のことを誰も知らなかった。
彼女は誰にも話していなかった。


彼女らしくって胸がえぐれそうだった。
彼女は本当に彼女らしく生きていた。






彼女はきっとまだまだ生きたかったはず。

闘病中の彼女は、
どんなに不安だったろう。
心細かっただろう。
辛かっただろう。
悔しかっただろう。


残していく子供たちのことを思ったら、
たまらなかっただろう。

彼女は本当に息子さんたちが宝物だったから。




色々考えると涙が止まらなくなる。






式場は彼女の友だちで溢れていた。
ダンナ様もその数に驚かれていた。

あの日は彼女のことが大好きなみんなが集まった。
辛い辛い別れだった。





いっぱい彼女のこと、彼女のご家族のことを考えた。


あれこれ本当に色々考えて、
やっと昨日あたりから何となく考えが一つにまとまってきた。





とにかく私はいつもどおりの生活を
いつもどおりに生きていこう。


彼女は47年で人生の幕を閉じたけど、
彼女がずっと続けたかっただろういつもの生活を
私は一生懸命生きていこう。



ゆずと遊びに行くこともキャンセルしようかと思ったりしたけど、
予定どおり行くことにした。
だって、すごく楽しみにしていた行事だもの。


ずっと気になって後伸ばしになっていたことも、
今週中にすることにした。


いつもどおりの毎日って
こんなに有り難くってこんなに素晴らしいものなんだと
彼女が教えてくれた。





GWのテニス部の同窓会。
昔、みんなでよく遊んだ地元で開く予定だ。

きっと集まるみんなの気持ちも
昔のあの頃に戻るだろう。









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今回、彼女をことを記事にして
こう感じた。


やっぱりこうやって、
自分の日常を綴っていくことは
とっても大切なことなんだと。



そのときの自分の気持ちを形にすることは、
生きている証を残すことだから。






ゆずブログが途切れがちだったけど、
時間のあるときはまたちょこっとでも更新していこうと思う。




今の気持ちを文章にしたら、
何かすごく楽になったわ。








読んで下さった皆さん。
本当にありがとうございました。